メンタルヘルスが超大事な理由 後編

メンタルヘルスが超大事な理由後編 その他

こんにちは!ロディです!
企業で メンタルヘルス推進担当者 をしています。

前回は、「メンタルヘルスが超大事な理由 前編」として以下の内容をお伝えしました。

  • メンタルヘルスとは何なのか?
  • うつ病の恐ろしさ
  • 私のうつ病体験


前回の記事は↓こちらから


今回は、後編ということで、いよいよメンタルヘルス不調になりにくい心を作るための予防法や、ストレスがかかったときに実践できる対処法についてお伝えしていきます。

この記事を最後までお読みいただくと、以下の内容がわかります。

  • 最も大事なのは「予防」
  • ストレスの予防法
  • ストレスの対処法
  • ストレスに気づく方法

最も大事なのは「予防」


「こころの健康を保つのは歯みがきと同じ」

私は会社の研修でメンタルヘルスの重要性を伝えるときに、よくこの例えを使います。

どういうことでしょう?
具体的に説明します。


みなさんは虫歯にならないために、毎日歯みがきをすると思います。
虫歯になるまで放置して、虫歯になってから歯みがきをする人はいませんよね。
要は、虫歯にならないために、「予防」として、歯磨きをするわけです。


精神疾患に限らず何の病気でもそうですが、最も大事なのは治療ではなく「予防」です。
なぜなら、病気にかからなければ治療をする必要もないからです。

ひとたび病気にかかってしまうと、病気の症状によって辛い思いをしてしまいますし、治療費がかかったり、通院のために時間を割いたりする必要が出てきます。
また、症状が重ければ、仕事を休まなければいけなくなります。
そうなると、収入や生活にも影響が出てきます。

このように、病気にかかってしまってからだと非常に面倒なことになるため、病気にかからないように「予防」をすることが最も大事なのです。


しかしながら、いくら予防をしていても、ストレスは外からやってくるものですので、完全に無くすことはできません。
そのため、大きなストレスがかかったり、ストレスがかかった状態が継続した場合は、ストレスを緩和したり、ストレスの元を解消するための対処が必要になってきます。

これは歯磨きの例で例えると、歯医者さんに定期検診に行って虫歯チェックをしてもらったり、歯垢除去をしてもらうのと同じことです。

このストレスがかかってモヤモヤしている段階で、ストレス状態にいち早く気づき、ストレスが大きくなる前に対処することが重要です。
この段階でストレスを解消したり緩和できれば、病気にならなくて済みます。

しかしながら、ストレスがかかっていることに気づかなかったり、ストレスがかかっているのに放置していると、徐々にストレスが溜まっていき、どこかの段階で精神疾患にかかってしまいます。

精神疾患になってしまった場合は病院で治療が必要になります。
これは、すでに虫歯ができているのに、いくら歯磨きをしても意味がないのと同じです。
虫歯になってしまったら自分の力ではどうにもならないのです。
病院に行って治療をするしかありません。

さらに、この状態でも治療をせずにいると重症化してしまいます。
虫歯の例で言うと、虫歯を削るだけでは対処しきれなくなり、歯を抜くなどの状態です。
当然ながら永久歯の場合は、新しい歯は生えてきません。
これは、病気を放置していると取り返しのつかないことになるということを意味しています。

精神疾患もこれと同じです。
一度精神疾患にかかってしまうと、病院で治療が必要になります。
重症化すると一生付き合う病気になることもあります。


とても怖いですよね?

ですが、ストレス耐性を高めるための知識やスキルを身に着け、実践することで、ストレス耐性を高めることはできます。

また、ストレスがかかってしまったときに、できるだけ早くストレス状態に気づき、上手にストレスに対処することで、ストレスを軽減したり解消したりできます。



おチュール
おチュール

その方法を教えて!


ストレスの予防法

こちらの図をご覧ください。



上から順番に説明します。
まず、ストレス耐性を高めるための行動として、以下の3点があります。

  • バランスの良い食事
  • 運動習慣
  • 十分で良質な睡眠


これらは、健康な心を作る土台になるだけではなく、健康な体を作るのにもとても重要な要素です。

おチュール
おチュール

な~んだ、普通のことじゃん。

もっと裏技的なものかと思った。

ムサシくん
ムサシくん

残念ながら、健康づくりに裏技は無いでござるよ。
あたり前のことをきちんと継続することが
心身の健康に最も効果的なのでござる。

ねこじろう
ねこじろう

でもそれって、普段の生活に気をつければ
誰にでも健康になれるってことでしょ?
質の高い生活を習慣化できれば、苦にならずに
健康になれるってことではござらぬか!?

ねこじろうするどい!その通り!
人間は新たに始めたことでも、3週間継続すれば習慣化して、意識しなくてもできるようになるそうです。(個人差はあります)

この性質を利用して、一つずつ生活習慣を変えていけば、1年間で12~16個も新たな習慣を獲得することができます。


なお、具体的に、「バランスの良い食事ってどんな食事?」「運動習慣とは言うけどどれくらい運動すればいいの?」「十分で良質な睡眠って何時間寝ればいいの?」という疑問が浮かんでくると思うのですが、これらに関する詳しい記事は別途作成しますので、今しばらくお待ち下さい。

ストレスの対処法

次に、ストレスがかかったときに実践する行動について解説します。

  • コーピング
  • 自発的な相談




コーピングとは、ストレスがかかったときに、そのストレスを緩和したり解消したりする何らかの行動を自発的に起こすことをいいます。


例えば、仕事でクレーム対応をしてストレスがかかったので、一人カラオケに行ってストレスを発散する場合などがコーピングです。


ここで重要なのが、行動を自発的に起こす、ということです。


なぜかと言うと、自発的に起こした行動であれば、その行動がストレス発散になったか、問題の解決になったかを評価することができるからです。

コーピングがどのような効果があったかを評価・記録しておけば、次にコーピングを行う際の参考になります。

これを繰り返してデータが蓄積されていけば、どんどんコーピングが上手になっていきます。


一方、たまたま同僚にカラオケに連れて行ってもらってストレスが発散できたという場合、これは自分で気づいて行動を起こしているわけではないので、再現性がありません。
そのため、この場合はコーピングになりません。


なお、どのような人に対しても、同じコーピングが有効かというとそういうわけでもありません。
カラオケが嫌いな人にとっては、ストレス発散どころか、むしろストレスになってしまいます。

このように、ある人のコーピングが他の人にも有効とは限りませんので、自分にとって何がコーピングになるかを試行錯誤していく必要があります。


また、どのようなストレスに対しても、同じコーピングが有効かというとそういうわけでもありません。

そのときの気分・感情や、かかっているストレスの種類によって、適切なコーピングを使い分ける必要があります。

ですが、ストレスがかかっているときは、「どのコーピングが適切かな?」と考えるこころの余裕はないかもしれません。


そこで登場するのが、コーピングリストです。


コーピングリストとは、こころと時間に余裕があるときに、思いつく限りのコーピングを書き出してリスト化しておいたもののことをいいます。


ストレスがかかる前に、予め様々なコーピングを用意しておけば、後はその中から選ぶだけなのですぐに実践できるというわけです。


コーピングリストは作り方の手順やコツがあります。
コーピングリストの作り方の記事は別途作成しますので、今しばらくお待ち下さい。



次に、「自発的な相談」について解説します。

自発的な相談とは、文字通り、困りごとがあったときに、自ら進んで人に相談することをいいます。

ねこじろう
ねこじろう

困ったときはムサシに相談してるでござる。
ムサシは聴き上手なのでござる。


ねこじろうが言う通り、みなさんも、聴き上手な人に話を聞いてもらったときに、「すごくわかってもらえた」と感じたことはないでしょうか?

この「誰かに分かってもらえた」という感覚は、一人で悩んでいたあなたを、孤独や不安感から救う力になります。

また、一人で頭の中で考えていても解決しなかった問題が、人に話すことで話が整理され、相談するだけで解決策が思い浮かぶこともあります。

解決策が思い浮かばなかったとしても、相談した相手から、自分では考えつかないアドバイスをもらえることもあります。

このように、「相談」という行為には、メンタルを安定させる効果や、直接的に問題を解決する効果があるのです。


なお、困ったときに頼れる人や資源のことをソーシャルサポートといいます。
ソーシャルサポートの増やし方にはコツがあります。
こちらの記事は別途作成しますので、今しばらくお待ち下さい。


ストレスがかかったときに実践する対処方法として、「コーピング」と「自発的な相談」についてお話しました。
これらは、ストレスが小さいうちに実行することで、ストレスを緩和したり、問題を解決することによってストレスを無くすことができます。
この段階できちんと対処ができていれば、うつ病の精神疾患には至らないということです。


これは歯磨きで言うところの、定期検診に似ています。
どんなに丁寧に歯を磨いていても、歯垢は溜まっていってしまいます。
そこで、定期的に歯医者に検診に行って、歯垢除去をしてもらったり、虫歯チェックをしてもらいます。
これによって、虫歯になる前に対処する、もしくは、小さい虫歯があってもすぐに治療することで歯を抜いたりしなくて済むわけです。

ストレスに気づく方法


ここまで、ストレスの対処法についてお伝えしてきました。
でも、ストレスに対処するには、ストレス状態に気づく必要がありますよね?

ということで、最後に、ストレスに気づく方法についてお話したいと思います。

ストレスによる変化で気づきやすいのは心理面の変化ではないでしょうか。
イライラしたり、不安な気持ちになるのは、ストレスではあるあるです。
その他にも、心理面の変化として、以下のようなものがあります。

心理面の変化

・急性反応:不安、緊張、怒り、興奮、混乱、落胆
・慢性反応:不安、短期、抑うつ、無気力、不満、退職願望


ストレスによる変化は身体面にも現れます。
ストレスがあることによって疲れたり、不眠になってしまうのは、経験がある方も多いと思います。
ですが、循環器系症状や消化器系症状、神経筋肉系症状もストレスによって引き起こされるというのは知らなかった人が多いのではないでしょうか。

身体面の変化

・急性反応:動悸、発汗、顔面紅潮、胃痛、下痢、ふるえ、筋緊張
・慢性反応:疲労、不眠、循環器系症状、消化器系症状、神経筋肉系症状


ストレスの強さによっては、身体面の異常が発生することもあります。
下記に記すものは、一見するとストレスとは関係ないように思えるものもあります。
もちろん、身体機能に異常があって病気になる場合もありますが、例えば、ストレスが加わることによって糖尿病になるということは知っていて損はないのでは無いでしょうか。

身体面の異常

・頭、首 :円形脱毛症、頭痛、自律神経失調症
・目   :眼精疲労など
・耳   :耳鳴り、メニエール症
・口   :口内炎など
・心臓  :狭心症発作、不整脈など
・肺   :気管支喘息など
・循環器 :高血圧、低血圧など
・肝臓  :慢性肝炎など
・筋肉など:リウマチ、腰痛、肩こりなど
・消化器 :胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群など
・内分泌系:糖尿病など
・膀胱  :頻尿、夜尿症
・皮膚  :湿疹、じんま疹、アトピーなど
・生殖器 :女性は生理不順や無月経、男性はインポテンツなど


ここまで、ストレスが原因で心理面の変化だけではなく、身体面にも変化・異常が発生することをお伝えしてきました。

ストレスを抱えていると、そのストレスについてモヤモヤと考える時間が長くなってしまい、夜に副交感神経が優位にならなくなります。
そうなると、寝付けなかったり、眠りが浅くなったりして、睡眠に乱れが発生します。
睡眠が十分に取れないと疲労が抜けず、自律神経が乱れる原因になります。
そして、自律神経の乱れは様々な病気の原因になります。

たかがストレスと侮ることなく、ストレスの芽は小さいうちから摘んでしまうのが得策です。

まとめ

前編ではうつ病の怖さについて、私の体験談を交えてお伝えしました。

うつ病は、一度かかってしまうと、良くなっていくまでに数ヶ月から数十年かかるばかりか、治ったように見せかけて再発率が非常に高い病気です。

また、うつが重症化していくと希死念慮が生まれ、実際に自殺をしてしまう人もいます。

うつが良くなったとしても、脳が無意識的にブレーキをかけるようになるため、うつになる前のような無理はきかなくなります。

他の精神疾患も、百害あって一利なしです。

これが、メンタルヘルスが超大事な理由です。


そして、精神疾患にならないための「予防」として、普段から「バランスの良い食事を摂ること」「運動習慣を身につけること」「十分で良質な睡眠を取ること」が大事であり、ストレスがかかってしまったときは、ストレス状態に早く気づいて、「コーピング」や「自発的な相談」で対処することが大事というお話でした。


私は、自分自身がうつ病にかかって大変な思いをした経験から、現在メンタルが健康な人には、同じ目に遭ってほしくないと心から思っています。

この記事を読んだあなたには、ここで学んだ知識を活かして、予防法の実践やコーピング、自発的な相談などを試してみてほしいです。

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